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月経前不快気分障害(PMDD)

生理前の心と体のつらさが、日常生活を大きく妨げる病気


月経前不快気分障害 (PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder) について

月経前不快気分障害(PMDD)とは、月経が始まる1〜2週間前から、著しい気分の落ち込み、イライラ、不安、緊張などの精神症状が現れ、日常生活や対人関係に明らかな支障をきたす病気です。月経が始まると症状は急速に改善します。
 多くの女性が経験する月経前症候群(PMS)よりも精神症状が重く、仕事を休む、人間関係にトラブルが生じるなど、社会生活への影響が深刻です。女性ホルモンの変動に対する脳の感受性が関係していると考えられており、真面目で几帳面な性格傾向の方に多いとされています。
 適切な治療により症状のコントロールが可能で、多くの方が改善を実感されています。我慢せずに早めに相談することで、毎月訪れるつらい時期を乗り越えやすくなります。

  • 理由もなくイライラして、些細なことで家族や同僚に当たってしまう
  • 急に涙が出たり、気分が落ち込んで何もする気が起きなくなる
  • 不安や緊張が強くなり、いつもは平気なことが心配でたまらない
  • 集中力が続かず、仕事や家事のミスが目立つようになる
  • 体がだるく、むくみや頭痛、胸の張りを感じる
  • 食欲が止まらず、甘いものを異常に食べたくなる

治療

PMDDの治療は、まず症状日記をつけて月経周期との関連を確認することから始めます。生活習慣の改善として、規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、カフェインやアルコールの制限などが推奨されます。

 薬物療法では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択とされ、高い有効性が証明されています。月経前のみの服用、または連続服用のいずれも可能です。また、低用量経口避妊薬(LEP)によるホルモン療法も有効で、特に連続服用により症状の軽減が期待できます。

 認知行動療法も効果的で、症状への対処スキルやストレス管理を学ぶことができます。症状が重い時期の予定調整など、環境調整も大切です。

 漢方薬では、加味逍遙散や当帰芍薬散などが補助的に用いられることがあります。個々の症状パターンに応じて、婦人科とも連携しながら最適な治療法を選択していきます。

 月経前のつらい症状は「気のせい」や「性格の問題」ではなく、適切な治療が必要な病気です。毎月繰り返されるつらさを一人で抱え込まず、どうぞご相談ください。あなたらしい毎日を取り戻せるよう、一緒に最適な治療法を見つけていきましょう。

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