自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)とは
自閉スペクトラム症(ASD)とは、対人関係やコミュニケーションの特徴、興味や行動の偏り・こだわりといった特性が、幼少期から持続的に認められる発達の特性です。生まれつきの脳の働き方の違いによるもので、育て方や本人の努力不足が原因ではありません。
症状の現れ方は人によって大きく異なり、「スペクトラム(連続体)」という言葉が示すように、軽度から重度まで幅広い状態像を含みます。幼少期には気づかれず、学校生活や就職後の対人関係で困難を感じて初めて受診される方も少なくありません。
診断には、幼少期からの発達の様子を詳しく知ることが不可欠です。ご本人の記憶だけでなく、親御さんや保育園・学校での様子など、成育歴に関する客観的な情報が診断の重要な手がかりとなります。適切な理解と支援により、特性を活かしながら生活の質を高めることができます。