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自閉スペクトラム症(ASD)

人との関わり方やこだわりに独特な特性がある発達の個性


自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)とは

自閉スペクトラム症(ASD)とは、対人関係やコミュニケーションの特徴、興味や行動の偏り・こだわりといった特性が、幼少期から持続的に認められる発達の特性です。生まれつきの脳の働き方の違いによるもので、育て方や本人の努力不足が原因ではありません。
症状の現れ方は人によって大きく異なり、「スペクトラム(連続体)」という言葉が示すように、軽度から重度まで幅広い状態像を含みます。幼少期には気づかれず、学校生活や就職後の対人関係で困難を感じて初めて受診される方も少なくありません。
診断には、幼少期からの発達の様子を詳しく知ることが不可欠です。ご本人の記憶だけでなく、親御さんや保育園・学校での様子など、成育歴に関する客観的な情報が診断の重要な手がかりとなります。適切な理解と支援により、特性を活かしながら生活の質を高めることができます。

  • 人の気持ちや場の空気を読むのが苦手で、誤解されやすい
  • 雑談や世間話が苦手で、会話が続かない
  • 予定の変更や突発的な出来事にとても戸惑う
  • 特定の音・光・においに敏感で、疲れやすい
  • 興味のあることには集中できるが、切り替えが難しい
  • 冗談や比喩、曖昧な表現の意味がわかりにくい

治療

自閉スペクトラム症の支援は、まずご本人とご家族が特性を正しく理解することから始まります。診断には幼少期の様子を知る親御さんからの情報や、母子手帳、通知表などの資料が重要な手がかりとなります。

当院では、詳しい心理検査は実施しておりませんが、丁寧な問診を通じて特性の評価を行いつつ、必要に応じて専門的な検査が可能な心理支援施設へのご相談をお勧めしています。また、診断書や意見書などの書類作成を通じて、職場での配慮や障害福祉サービス、就労支援などの社会的支援を利用できるようお手伝いします。

特性そのものへの直接的な治療ではなく、環境調整や生活の工夫についてご一緒に考えていきます。また、ASDの方は二次的にうつ病や不安症、不眠などの精神的不調を経験されることが少なくありません。そうした症状に対しては、適切な薬物療法を行い、日常生活の負担を軽減します。

自閉スペクトラム症は「治すべき病気」ではなく、その方の個性の一部です。特性を理解することで、「なぜ自分はこんなに生きづらいのか」という長年の疑問が解消され、楽になったという方も多くいらっしゃいます。当院では詳しい心理検査はできませんが、必要な支援につなげるお手伝いや、二次的な精神症状への対応は可能です。一緒にあなたらしい生き方を考えていきましょう。

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