京王相模原線「南大沢駅」徒歩5分
完全予約制
042-673-1245(診療時間内)
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●月経前不快気分障害とは
月経前の約1週間に続く精神的(イライラ、抑うつ気分、不安、過食、集中困難など)、身体的(下腹部痛、頭痛、腰痛、発汗、のぼせなど)な不快症状で、月経開始とともに症状がおさまるものを月経前症候群(PMS: Premenstrual Syndrome)と呼びます。その症状の中でも特に精神的不快症状が重く、仕事や学校、大切な人間関係に深刻な影響を及ぼすほどの症状を伴うと、月経前不快気分障害と診断されます。妊娠可能な女性の約5%が経験する症状で、女性にとっては毎月のことでもあり、とても身近で辛いものです。
●原因
原因は厳密にはわかっていませんが、性周期によって増減する黄体ホルモン(プロゲステロン)が何らか関与し、セロトニン系神経機能の低下が起こり、神経間の信号伝達に必要なセロトニンが枯渇することが一因ではないかと考えられています。
●治療について
枯渇するセロトニンを補充するために、月経開始2週間前から月経開始まで(症状が続く場合は月経開始後数日間)、SSRIという薬剤を用います(間欠療法)。SSRIなどの抗うつ薬は、飲み始めてから少なくとも3〜4週間以上経たなければ効果を判定できませんが、PMDDに関しては比較的速やかに効果が現れます。少量のSSRIで十分効果が出ることも多いですが、しっかりと症状を抑えることができる程度にまで増量します。症状がおさまってから少なくとも1年間は服用を継続します。妊娠中や閉経後は月経がないため、服用を中止します。
その他の選択肢としては、低用量ピル(*当院では低用量ピルを処方しておりませんので、ご希望の方は婦人科にご相談ください)を用いたり、漢方薬やビタミン・ミネラル製剤を用いることもありますが、PMDDは精神面の症状が重く、生活に支障をきたしている状況でもあり、期待される効果(漢方薬等は効果がマイルド)や、起こりうる副作用(低用量ピルには血栓症のリスクがあります)などを考慮すると、SSRIによる治療が第一に考慮される疾患です。
月経周期とそれに伴う症状をしっかり記録することにより、より効果的に症状に備えることもでき、薬物療法のタイミングを図る上でも重要なので、ぜひアプリなどを利用して月経管理を行いましょう。
なお、カフェインがPMDDの症状を悪化させるという報告もあり、月経前はコーヒーやお茶などを控えたほうが良いでしょう。